最近読み終わった。


タイのアユタヤで活躍した山田長政(藤蔵)とキリシタンのペドロ岐部の二人が主役の話。
タイ駐在する人、必読の本だって。
最初にいうと、必読ではない。
これ大半が作者の想像だから、
この本を読んだところでタイやタイ人について理解はできない。

タイ人を理解したいという目的以外なら、非常に楽しく読めると思います。
遠藤周作の本は、海と毒薬わたしが・棄てた・女を過去に読みました。
特にわたしが・棄てた・女は心に残る作品で主人公の吉岡が糞すぎて…。
遠藤周作を久しぶりに読みましたが、こんなに読みやすい文体だったっけ?
そのため、スイスイ読めました。
ここからネタバレ。
昭和59年の本だけど、
小説の中にマカオの中国人の商人阮子竜が、
主人公の山田長政(この時は出世していないので名前はまだ藤蔵。ここでは山田長政と書きます)に、
「日本人はおかしい。どんな土地に行ってもその土地の食べ物、気風に馴れないな。日本にいた時と同じ食べ物を欲しがり、日本にいた時と同じように暮らそうとする。だから、この品物(米、味噌、醤油。刀とかひな人形とか)を喜んで買ってくれる。それが…日本の弱いところ」
って言葉が凄い印象的でした。
島国の日本人らしい。
日本人に住みやすい国って日本食屋さんがあるかどうかで決まると思います。
10年前と比べて本当タイは日本食屋増えましたわ~
大学生の時は、毎日家と大学でタイご飯食べてたな。
あの頃、大戸屋の存在知らなかった。
フジぐらいしかなくて、本当まずい日本食だわって思ってたわ。
別に苦じゃなかったけど、生粋の日本人はきついだろうなぁ。
食事に対してのこだわりは強いからね。
山田長政はアユタヤに着いてから、アユタヤにいる日本人を観察すると、皆日本にいる時と同じように生活し、その国の食べ物に馴れようとしない。
まさに阮子竜の言うとおり。
さらに日本人達は国に帰りたい、帰りたいとずっと呟き、その日、その日の暮らしをしてます。
日本人は山田長政に果物(ドリアン)を食べるように勧め、
思わず「臭い」と言う長政を見て、
「そうだろ、そうだろ。この国の食べ物は全て臭い」
と嬉々としていうシーンも日本人の選民意識を感じました。
これ今でもやってる人いるよね~
現代にも通じるものがありますね。
山田長政はドリアンを無理矢理食べて、
俺は絶対に上に行く、シャムに馴れてやる!
って意気込みます。
さらにいざビルマとの戦で、
日本人傭兵の腑抜けぶりに山田長政は失望します。
駄馬の集まり、情けない。これが日本人か!
と憤り、
俺は違う。俺は絶対上に行く!!と決意を改めます。
山田長政は下剋上精神で、
身分制度のある日本では出世できないと見切り、
海外に出てきたから野望メラメラ。
そして、月日が経ち、阮子竜がアユタヤに来た時の言葉。
「まずこの国の暑さよ。お前たち日本人には馴れぬこの暑さは、年と共に人間の体だけではなく、頭と心を鈍らせる」
これを読んでドキッとしました。
在タイ日本人にアホが多いのも、こういう理由なのかも。
自分もなっていないか、本当に気をつけなくてはいけません。
遠藤周作の洞察力に驚かされました。
あとは山田長政が出世するためにアユタヤの王宮での策略とか謀略で戦うんですが、まぁしょぼいよね…
いや、面白いよ。面白いんだけど、
登場人物全員が「王宮は恐ろしいところ」みたいにめちゃくちゃ言いますが、
それ、当たり前だろ。
日本の大奥でも凄い怖いところじゃない。
王宮なんて王位を狙う魑魅魍魎が蔓延って跳梁してる場所なんだから当たり前やろ…。
私が今まで読んだ王宮関係の本と比べたら、
むしろ、あっさりしてましたね。
イギリス王室とかロマノフ家とかそっちのが何百倍も怖かったよ。
隣国中国なんてどれほど凄まじいか。
西太后、武則天とかさ…
長政の敵がオークヤー・カラホームって言うタイ人の摂政。
こいつがめっちゃ強い。
力が無いから頭と口を使うって言ってました。
こう言う言葉が凄く心に残る。
あとなんか登場人物が軽い人が多い。
ページ数が少ないから仕方がないんだろうけど、
あっさりしすぎてるし、浅はかなやつが多い。
山田長政が出世するために城井を見殺しにしたんだけど、助命嘆願をしなかったって言って責める日本人が数人いる。
でもさ、城井があほでつっぱしたからじゃん。
能力無くて勝手に自爆してんだから、仕方がないだろ。
しかも長政の方が自分より優秀なのを認めない駄目な奴やん。
山田長政も演技で助命嘆願しとけばよかったかもね。
まぁ城井は死刑。
そのせいで、城井の奥さんは自殺。
娘の『ふき』だけ残って、罪悪感から山田長政が引き取るんだけど、この親父バカじゃねぇの。
娘は両親が無くなって無表情に長政に仕える。
そんな娘を抱き寄せて、乳首を毎晩いじる長政。
お前を嫁にするには若すぎるなーでいじる。
最後はふきに毒を盛られて死亡。
あほだな、こいつ。
戦上手だったのに、なんか王宮の謀略に疲れて、腑抜けになりましたね
ふきの乳首弄る前にやることあっただろ。
それに自分に対して無表情の子なんて、完全にヤバイやつだろ。
長政が死んだあと、日本人町は焼打ちに遭ったんだけど、本当にこんな日本人しかいなかったら、そりゃあ焼打ちにも遭うわ。
バカなやつが多すぎ。
長政を裏切った城井の召使いは、どうせオークヤー・カラホームに処刑されて、日本人に謀反の兆しありってことで、焼き討ちよ。
全てオークヤー・カラホームの計画通り。
長政以外無能って思いました。
小説の長政が言うような、駄馬の集まり、
気概のない日本人しかいなかったんだろうな。
こんな昔の小説なので今にも通じるものがあって、新鮮でした。
今でも海外で日本人が日本人を騙しているのは海外に馴れないでいるから、
日本人しか相手にできないし、
日本人としか生活してないから、
被害が後を絶たないのかな。
こんなんだから現地化した奴は、
本当現地人以下だなって思いました。
糞コメかいてる奴とかね☆
あとペドロ岐部の話はいらなかったと思う。
山田長政は現実的な名誉とかお金を求めて、
ペドロは精神的なものを求めたという対比なんだろうけど、
彼の話がなくても全く問題ないわ。
この本は中国商人の処世術とかオークヤー・カラホームのやり方がすごい勉強になった。
山田長政はなんかツメが甘い。
終わり。

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